CrossFeel Sound by Pioneer

オーディオ・ビジュアル評論家 潮 晴男×CrossFeel SPECIAL IMPRESSION

[第4回]クリアで浸透力のある国分友里恵さんの歌声。

PROFILE 潮 晴男
オーディオ・ビジュアル評論家・音響監督
オーディオ・ビジュアル専門誌をはじめ情報誌、音楽誌など幅広い執筆活動をおこなう一方、音響監督として劇場公開映画やCDソフトの制作・演出にも携わる。ハリウッドの映画関係者との親交も深く制作現場の情報にも詳しい。またイベントでの丁寧でわかりやすいトークとユーザーとのコミュニケーションを大切にする姿勢が多くのファンの支持を得ている。
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  1. [第1回]
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  3. [第3回]
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  1. [第1回]

ファンを魅了した心に染みるステージ

国分 友里恵 岩本 正樹

CrossFeelが取り持つご縁で10月の最終日、東京・目黒にあるライブミュージックハウス、「ブルースアレイ」に出かけました。当日の演目は、国分友里恵さんのリマスターCD発売記念コンサート。なんと30年前のデビューアルバムを折り目正しくリフレッシュしたCDが先日リリースされたことをお祝いしてのライブというわけである。ファンの人はもちろんだが、ご本人もびっくりするサウンドとの出会いがそこにはあったという。国分さんはそうした新しい心持をそのまま表現したかったのだろう、23年ぶりのライブということだったが、そんなブランクを感じさせない2部構成のステージにファンも狂喜乱舞したのである。
バックはピアノ、アルトサックス、トランペット、ギター、ベース、ドラムスそしてコーラスを加えた7人編成。途中でゲスト・ベースが加わる豪華絢爛なラインナップだ。ピアノはもちろん作曲家でアレンジャーでもあるご主人の岩本正樹さんだ。当然ながら息の合った演奏にみんなが酔いしれたことは言うまでもない。とても23年ぶりとは思えないパフォーマンスにぼくも感動した。
国分さんは今はない六本木のピットインで400人のオーディエンスを前に開いたライブを最後にステージから遠ざかっていた。「本当は人前に出るのが苦手なんです」とのことだが、そんなことファンが許してくれませんよね。その後山下達郎さんのツアーにバックコーラスとして参加したり、ファンの集いで歌うなど音楽活動は続けていたものの、ソロでのコンサートからはオファーがあっても逃げ回っていたという。
その流れに変化が起こる。前述したリマスターCDの発売記念に加えてもう一つの大きなポイントになったのが「CrossFeel」との出会いだった。国分さんは岩本さんとの共同作業で、これまでにもCMなどのタイアップ曲を多く手掛けているが、「CrossFeel」のリリースに併せ、NECライティングからイメージソングの依頼が寄せられたのだ。そしてこの楽曲制作がステージへの大きな後押しをしたのである。
「30年前は海外の音楽に目が向いていましたが、今は自分の言葉で歌うよう心がけています」。国分さんはクリスチャンとして教会音楽にも熱心に取り組んでいる。そしてそうした活動の中から、彼女は魂に響く言葉として日本語を選んだ。日本人だからこそ日本語の歌を謳うことにこだわっているのだ。

“音と光の融合”を表現したイメージソング

「CrossFeel」のイメージソングはこのシーリングライトの雰囲気を大切にした3つの楽曲が用意された。当日はそのうちの一つ「羽ばたいて」で「Come by here」というキーワードとともに客席と一体となる演奏も披露されたのである。1stステージはバンドの演奏も80年代風だったが、2ndステージでは今風の楽曲が続き、そしてこのアンコール曲で大いに盛り上がったのである。
「CrossFeel」を使うようになって何か変化がありましたかと国分さんに尋ねると「みんなが集まった時に様々なシーン演出をしてくれるのがとても楽しいです」とのことだった。国分さんのお宅では「CrossFeel」がパーティから団欒まで脇役としての役割をしっかり果たしているという。イメージソングについては、国分さんが作詞し、岩本さんがこの歌詞に併せて作曲したのだろうか、潮 晴男それとも岩本さんが作り上げた曲に併せて国分さんが作詞しているのか聞き漏らしてしまったが、いずれにしてもとてもしっくりとしているし「CrossFeel」の持ち味を余すことなく伝えていると思う。
イメージソングを依頼したNECライティングの担当者は、「店頭でたくさん並んでいる似たような照明器具の中から、「CrossFeel」を選んでいただくためには、その特徴である音と光のコンビネーションがいかに生活空間に潤いをもたらすものなのか、そのことをお客様に分かってもらう必要がありました」と、音楽を流すことの重要性を力説する。
百聞は一見にしかずではなく、百見は一聴にしかずで、まさに体験してもらうことがこの製品を理解してもらう近道であり、そのために国分さんと岩本さんにオリジナル楽曲をお願いしたのである。それまでは照明器具には不似合いな「♪」のポップなどで視覚に訴えてきたというが、音楽が降り注ぐようになってから注目度は格段に向上し、店頭で透明感あふれる国分さんの歌声に足を止めた人も多かったという。
国分さんと岩本さんの共同作業から生まれた楽曲は音と光の融合というテーマを見事に描き出している。岩本さんは「機器の性格上ハードな楽曲ではなく、ピアノとボーカル、あるいはアコースティック・ライブのような感覚で生音の良さを引き出しました」と曲作りへの思いを語ってくれた。さらに製作途中で何度も「CrossFeel」で楽曲の音色をモニターするという念の入れようだったとか。ぼくもそのCDを聴いたが、クリアで浸透力のある国分さんの歌声に随分と和まされた。「CrossFeel」のために製作された3曲入りのミニアルバムもリリースされているので、機会があればぜひとも手にしていただきたい。
国分さんの「ライブミュージックってこんなにも新鮮だったんだ」とコンサートの後で話してくれた一言が強く印象に残った。そしてこの感動をもっと多くのオーディエンスに届けなくてはと思ったという。2014年6月にはステージに立つことが決まっているということなので、再び生の美声に会える。ぼくもその日が来るのが待ち遠しい。

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